認知症の詩 ~人間はみんな平等だ~ 介護職員より

介護施設で働いています。認知症の方から日々、勉強させて頂いてます。ブログを通じて、認知症の方が今以上に平等に暮らせる世の中を願ってます。

★緊急時の対応について職員は何を判断すればよいのか?

 こんにちは。

 

 施設では夜間の勤務があります。この時間帯は現場職員だけで勤務する(施設長不在)ことが多いのが現状です。

 

 入居者の方の体調悪化や怪我等が発生した場合は現場職員がどのように対応するかを判断しなければなりません。判断するポイントがわからず対応を怠ればその方の命に関わります。

 では、どういった場合に緊急時の対応を行えばよいのでしょうか?

 

  [ポイント]

  •  意識状態の著しい低下
  •  呼吸状態の著しい低下
  •  大量の出血
  •  重度の火傷

 これらについてはすぐに救急対応をする必要があります。

 

 また、これらの程度が低く判断に迷う場合(呼吸が少しおかしい、意識レベルがやや低下している等)は血圧、体温、脈拍を測定し、判断材料にするとよいです。

 

 判断材料が多いほどかかりつけ医師等に報告する際にその後の対応がスムーズになりやすいです。

 

 心肺蘇生や火傷の初期対応等のその場の技術は必要ですが、なかなか知識、経験が浅い人ほど実際はできないことがあります。しかし、どういう状態で命をおとす危険性が

あるのかを知っておくだけで専門職に伝達ができ、命を救うことができます。

 緊急対応の入門編ですが、実際の現場で参考にして下さい。

 

 

 

★施設でみられるレベルの低い接客

こんにちは。

 

 レストランでステーキAセットを注文すると、ステーキができあがって、店員がテーブルにもってくる時はお客さんへ「ステーキAセットになります」と商品の説明を行い、テーブルにおきます。美容院でシャンプーをする時は店員が「シャンプーをしますので隣のイスへご案内します」と説明します。お店でみられる当たり前のことではありますが、これらの説明がなかったらどうでしょうか?不快に思うお客さんが多いのではないでしょうか?また、もう一度、そのお店にいこうとは思はないのではないでしょうか?

 介護施設では世間でみられる当たり前のことができていない場面があります。入居者の方に対し、今から行う援助の説明をせず、オムツ交換や食事介助をすることがみられます。働いていた当初はしっかりと説明をしていた職員もいたでしょう。周りの環境や業務の忙しさで無意識のうちに説明しないことに慣れてしまったのかも知れません。

慣れ=高齢者差別になってしまいます。

世間ではあたり前でできている接客が介護施設ではできていないことが多いです。

 

 

 なぜ介護施設はレベルの低い接客が許されるのか?それは入居者がクレームをいわないからです。

 理由1:クレームがいえない環境がある。

 理由2:他の施設に転居できない。(家族、個人の事情が多い)

 これらの理由からレベルの低い接客をしてもあまり大きな問題として取り上げられません。(ニュースは新聞では介護事故、虐待は多く取り上げられますが。。。)

 また、病院にもいえます。敬語を使わないナースなど、接客レベルが低い病院もあります。この理由も患者はいろいろな理由で病院を変えれないことがあります。

 

 接客レベルを上げるには、はじめに入居者の方をお客様として考えることです。職員がこのことを理解しなければ、接客用語を教えただけではなかなか浸透しません。ボランティアではなく入居者の方からお金をいただき、これによって我々の給与が支払われていることを忘れてはいけません。

 

 

★座ることの大切さ

高齢者介護では「寝たきり」というキーワードがでてくることが多いです。

寝たきりになると体と心にどのような変化がでるのでしょうか?

答えは簡単にまとめると脳機能と筋力、生理的機能が低下します。

 

座ることで寝たきりの防止に繋がります。

座ることの効果は以下のことがあります。

①脳が活性化される。

目でみる情報が増え脳が刺激される。座っている状態では平衡感覚が刺激される。

②筋肉を使う。

姿勢を保つ為に筋肉を使う。

③生理的機能が発揮できる。

食べ物を飲み込む、排泄が楽になる。肺活動が増加する。

 

このように座ることで心と体の機能を向上、維持できるのです。

ただし、高齢者の方々それぞれに適した座る時間があります。2時間を超えると疲労がたまってしまう方もいるでしょう。その結果、食事がとれなくなるなど機能が低下することがあります。

介護者はその方に適した座る時間を考えることが必要です。

 

 

 

 

★高齢者の方に向上を目指してもらうこと

私は昔、鎖骨を骨折し、入院と手術の経験があります。

術後はリハビリを行い、回復に努めました。肩が元通りになったのは術後2か月後でした。骨折した時はショックでしたが手術を行いリハビリをすれば完治すると医師から説明を受け、私もそれを素直に受け入れることができたので抵抗なく治療(リハビリ)に専念できました。

 

 

病気や怪我の度合いが大きいほど現実を受け入れるのに時間がかかるといわれています。病気や怪我が発症してから回復までの過程には5つの段階があります。

①ショック期

発病の直後で集中的な医療とケアを受けている時の心理状況。
肉体的には苦痛があっても心理的には逆に平穏で、感情が鈍麻した無関心な状態。
現実に起こっていることが自分ではないような状態。

②否認期

身体的状態が安定して、そう簡単には治らないらしいことが本人にも少しずつわかり、心理的な防衛反応としての病気の否認が生じる時期。

③混乱期

現実が圧倒的すぎて、病気が完治しないことを否定しきれない時期。

④努力期

前向きな努力が主になる時期。
外向的な攻撃では、結局問題は解決しないことに気づく時期。

⑤受容期

最後に価値の転換を完成し、患者さんは社会や家庭のなかで、何らかの新しい役割や仕事を得て、生活に生きがいを感じるようになる時期。

※段階を進んだり戻ったりしながら、経験するとされています。

 

 

施設や家族介護では高齢者の方がどの段階にいるのかを理解し援助を行う必要があります。努力期でリハビリをあきらめてしまうケースには以下のことが原因として多いです。

①以前治療、リハビリを行った時に苦痛を感じたケース

②以前同様の治療を行ったが効果がなかったケース

このような場合は治療、リハビリ方法をかえることがその方の気持ちを前向きにかえることに繋がります。

 

 

 

 

★高齢者と心がまえ

こんにちは。

仕事には大義名分があります。

公的な事業ほど法律をもとに決まっています。

例えば警察は市民を守る。病院は命を救うなどあります。

介護ではどうでしょうか?

社会福祉士及び介護福祉士法では以下の内容となっています。

■誠実義務(高齢者の個人の尊厳を保持し、自立した生活ができるように支援する)

■信用失墜行為の禁止(信用を傷つける行為の禁止)

■秘密保持義務(高齢者の情報を他者へ漏らしてはいけない)

■連携(高齢者へサービスが適切に提供できるように福祉サービス関係者と連携する)

■資質向上の責務(知識・技能向上に努めなければならない)

■名称の使用制限(介護福祉士でないものはこの名称を使用してはならない)

 

このように介護の仕事内容は法律で定められています。

今回は誠実義務(高齢者の個人の尊厳を保持し、自立した生活ができるように支援する)で考えてみます。

尊厳とは「人間らしさ、人間が本来もっているもの」これを守りながら、自立した支援を行うことが介護職の仕事になります。

いいかえれば言動、行動の差別はしてはいけない。本人ができる事をこちらでしないということです。

失禁をした方に対して「どうしてしたのですか!こっちの仕事が増えてしまう!」や冷たい目で見る。車いすを自分で操作できる方に対して、こちらで操作して手伝う。このようなことは尊厳保持と自立支援に反します。

 

自分が相手の立場になって考えることができれば相手の人間らしさを守り、過剰な介護をしない事に繋がります。誰だって傷つきたくないし、できることは自分でしたいのです。

人間らしさを失ったしまったら絶望感しかありません。介護職員はこのことを念頭に仕事に向き合ってほしいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★脱水から高齢者を守る

こんにちは。

高齢者の方々は若者と比べ、喉の渇きが感じにくく、そのために水を飲む頻度が少なくなり脱水症状になる傾向が強いです。

ではどれくらいに水を飲めばよいのか?

食事以外で1000ml~1500mlの水分摂取が必要とされています。

脱水の予防はこまめな水分補給になりますが、その方の体調を観察することで脱水の兆候がわかります。

以下の症状は脱水の疑いがあります。

①舌、口の中が乾燥している。

②皮膚が乾燥する。皮膚をつまむと戻るのが遅い。

③血圧低下。脈が速い。

④疲労感、脱力、食欲低下、めまい、ふらつき。

⑤ぐったりする。元気がない。

このような症状がみられた場合はこまめな水分補給が必要ですが、日ごろから水分補給の援助をしたほうが良いということは言うまでもありません。

 

★肺炎の予防に大切な入歯のケア

こんにちは。

介護の現場では病気の予防も仕事の一つです。

今回は肺炎予防について。。。

 

日本人の死亡原因の第4位は肺炎です。

肺炎で死亡する人の94%は75歳以上です。

 

そのうち70%以上が誤嚥に関係しているといわれています。

 

【誤嚥性肺炎とは?】

誤嚥性肺炎は、細菌が唾液や胃液と共に肺に流れこんで生じる肺炎です。

 

【原因は?】

 

①口の中の食べ残しによる誤嚥

口の中や入歯が不潔な状態だと寝ている時に唾液が気管の中に入り、同時に細菌も気管に入り、誤嚥してしまいす。

 

②胃逆流物による誤嚥

 

まとめ 内容物→肺に入る→肺炎になる ということです。

 

【予防法】

●口腔ケアをしっかりとしましょう!

歯ブラシで歯の隙間の汚れを落とし、歯茎、頬の内側、舌を磨く。ガーゼを使うと効果的です。

また、入歯は寝る時は外したほうが良いです。入れたままだと口の中の自浄作用が低下し細菌が増えてしまいます。肺炎にかかわらず、虫歯なのど歯の病気の原因となります。

入歯は日中は食後に掃除することが良いとされています。

 

●食後はすぐに横にならない習慣をつけましょう!

食後2時間は横にならないことがいいでしょう。胃からの逆流を防ぐ為です。

 

是非、現場や家族介護の参考にしてください。