★高齢者の方に向上を目指してもらうこと
私は昔、鎖骨を骨折し、入院と手術の経験があります。
術後はリハビリを行い、回復に努めました。肩が元通りになったのは術後2か月後でした。骨折した時はショックでしたが手術を行いリハビリをすれば完治すると医師から説明を受け、私もそれを素直に受け入れることができたので抵抗なく治療(リハビリ)に専念できました。
病気や怪我の度合いが大きいほど現実を受け入れるのに時間がかかるといわれています。病気や怪我が発症してから回復までの過程には5つの段階があります。
①ショック期
発病の直後で集中的な医療とケアを受けている時の心理状況。
肉体的には苦痛があっても心理的には逆に平穏で、感情が鈍麻した無関心な状態。
現実に起こっていることが自分ではないような状態。
②否認期
身体的状態が安定して、そう簡単には治らないらしいことが本人にも少しずつわかり、心理的な防衛反応としての病気の否認が生じる時期。
③混乱期
現実が圧倒的すぎて、病気が完治しないことを否定しきれない時期。
④努力期
前向きな努力が主になる時期。
外向的な攻撃では、結局問題は解決しないことに気づく時期。
⑤受容期
最後に価値の転換を完成し、患者さんは社会や家庭のなかで、何らかの新しい役割や仕事を得て、生活に生きがいを感じるようになる時期。
※段階を進んだり戻ったりしながら、経験するとされています。
施設や家族介護では高齢者の方がどの段階にいるのかを理解し援助を行う必要があります。努力期でリハビリをあきらめてしまうケースには以下のことが原因として多いです。
①以前治療、リハビリを行った時に苦痛を感じたケース
②以前同様の治療を行ったが効果がなかったケース
このような場合は治療、リハビリ方法をかえることがその方の気持ちを前向きにかえることに繋がります。