認知症の詩 ~人間はみんな平等だ~ 介護職員より

介護施設で働いています。認知症の方から日々、勉強させて頂いてます。ブログを通じて、認知症の方が今以上に平等に暮らせる世の中を願ってます。

★個人を尊重するべきです。

働く側で大切にしなければならないのはその方の意向を尊重することです。

一方的な援助はその方の自尊心を傷つけ人間の価値をさげます。

 

例えば入浴の場合。

 

入居者「体を洗う前に先にお湯に入りたい」

介護者「駄目です。先に体を洗いましょう」

 

先に入って全然OKです。

 

よく職員は入浴の目的を感染予防や清潔として考えがちですが、

本人からみれば入浴は「楽しみなこと」であることが多いです。

またアクティビティー(心身機能、身体機能の活性化)の一環として考えれば本人の望む入浴スタイルに自然と合わせやすくなるものです。

 

医療も介護も自己の決定を尊重するものです。

おしつけ援助はその方の自尊心を傷つけますよ。

これってよく考えれば当たり前ですよね。

 

★動作分割からその方の自立を支援する。

こんにちは。

介護では、本人のできることを見極めて援助を行うツールとして動作分割があります。

自立を目指し援助を考えるためのツールです。

 

動作分割とは字のまま、動作を分割する事です。

 

例えば、施設で朝食を動作分割で考えます。

8時が朝食の時間で5階のお部屋から

3階の食堂へエレベーターを使い移動するとします。

 

1連の動作を分割すると

①時計で8時と認識する。

②身支度をする

③靴をはく

④部屋を出る

⑤エレベーターに乗る

⑥3階へおりる

⑦食堂へいく。

 

次にできること、できないことにあてはめます。

①時計で8時と認識する。→できない

②身支度をする→できる

③靴をはく→できる

④部屋を出る→できる

⑤エレベーターに乗る→できる

⑥3階へおりる→できる

⑦食堂へいく。→できる

 

できないことを検証し援助に繋げる。

時計で8時と認識できないのはなぜか?

 

その方は時間の認識ができないのか?

視力の問題で時計が見えないのか?

朝と夜の判断ができなくなっているのか?などなど

 

検証し、改善できれば自立につながります。

 

是非、現場や家族介護で参考にしてください。

 

 

 

 

 

★食欲がなくなってしまった高齢者に対して~原因を探る~

こんにちは。

高齢者が困っていることの改善=生活の改善=生きる力が向上

これはその家族の幸せ、援助している介護者の幸せに繋がります。

 

今回は高齢者の食欲がなくなった場合に

介護者が観察するポイントについてまとめました。

 

~昔ながらの方法~

お粥や梅干しなどの軽い食事からとる。

みなさんも子供のころ、記憶にあるのではないでしょうか?

風邪などの場合は脱水を起こしていることが多く、それによって食欲がなくなる事があります。

お粥はたべやすく、梅干しは塩分を含み、食べれば水分を欲します。

これにより無理なく本人のペースで水分摂取できるのです。また塩分をとることが脱水の改善になります。

 

~他の原因は?観察のポイント6つ~

意思疎通が難しい高齢者の方を観察するときの参考になります。

①薬の影響

②胃腸がわるい

③食事の内容が不満

④食事の認識ができていない

⑤誤嚥をおこしている

⑥麻痺や手の障害がある

 

施設の現場ではこれらは原因になることが多いです。

家族介護でも参考になります。

 

~まとめ~

食事は生きるために必要であり楽しみのひとつです。

食事をとることがその方の生きる力に繋がります。

食事が再開できたときは介護者側もうれしい気持ちがあります。

 

 

 

★入浴を拒否される高齢者にたいして~原因を探る~

こんにちは。

高齢者が困っていることの改善=生活の改善=生きる力が向上

これはその家族の幸せ、援助している介護者の幸せに繋がります。

 

今回は入浴を拒否された場合、その原因をどのようにして解明していくかを

私が働いている施設を例にしてご紹介します。

家族介護や訪問介護の方にもご参考になれれば幸いです。

 

~実際の施設でのケース~

Hさま 女性

アルツハイマー認知症 右膝拘縮

 

この方は認知症、右膝拘縮があります。

(障害をもつ前)は入浴はとても好きで毎日お風呂に入っていたそうです。

 

施設では毎回、入浴の拒否がみられます。

原因は何でしょうか?

 

介護業界では入浴拒否は以下3つの事が原因として多くあるそうです。

①以前、入浴で苦い経験をしている。

②人前で裸をみせたくない。

③そもそも入浴する習慣がない。

 

 

~対策~

過去の介護記録を精査したところ、この方は①以前、入浴で苦い経験をしていました。援助の際、右膝に負担がかかり痛みが生じていたのです。

入浴が苦痛なものになっていたのです。

 

そこで、職員で話し合い援助方法をかえて右膝の負担を和らげました。

 

~結果~

 援助拒否は少なくはなりましたが、0ではありません。

 

まだまだ、対策をたてないとなりません。

日々、奮闘します。

 

~まとめ~

入浴はくつろぎを提供するもの。

しかたなしに習慣として行うことではありません。

どのようしにてくつろぎの時間を提供するかが大切です。