★高齢者と心がまえ
こんにちは。
仕事には大義名分があります。
公的な事業ほど法律をもとに決まっています。
例えば警察は市民を守る。病院は命を救うなどあります。
介護ではどうでしょうか?
■誠実義務(高齢者の個人の尊厳を保持し、自立した生活ができるように支援する)
■信用失墜行為の禁止(信用を傷つける行為の禁止)
■秘密保持義務(高齢者の情報を他者へ漏らしてはいけない)
■連携(高齢者へサービスが適切に提供できるように福祉サービス関係者と連携する)
■資質向上の責務(知識・技能向上に努めなければならない)
■名称の使用制限(介護福祉士でないものはこの名称を使用してはならない)
このように介護の仕事内容は法律で定められています。
今回は誠実義務(高齢者の個人の尊厳を保持し、自立した生活ができるように支援する)で考えてみます。
尊厳とは「人間らしさ、人間が本来もっているもの」これを守りながら、自立した支援を行うことが介護職の仕事になります。
いいかえれば言動、行動の差別はしてはいけない。本人ができる事をこちらでしないということです。
失禁をした方に対して「どうしてしたのですか!こっちの仕事が増えてしまう!」や冷たい目で見る。車いすを自分で操作できる方に対して、こちらで操作して手伝う。このようなことは尊厳保持と自立支援に反します。
自分が相手の立場になって考えることができれば相手の人間らしさを守り、過剰な介護をしない事に繋がります。誰だって傷つきたくないし、できることは自分でしたいのです。
人間らしさを失ったしまったら絶望感しかありません。介護職員はこのことを念頭に仕事に向き合ってほしいものです。
★脱水から高齢者を守る
こんにちは。
高齢者の方々は若者と比べ、喉の渇きが感じにくく、そのために水を飲む頻度が少なくなり脱水症状になる傾向が強いです。
ではどれくらいに水を飲めばよいのか?
食事以外で1000ml~1500mlの水分摂取が必要とされています。
脱水の予防はこまめな水分補給になりますが、その方の体調を観察することで脱水の兆候がわかります。
以下の症状は脱水の疑いがあります。
①舌、口の中が乾燥している。
②皮膚が乾燥する。皮膚をつまむと戻るのが遅い。
③血圧低下。脈が速い。
④疲労感、脱力、食欲低下、めまい、ふらつき。
⑤ぐったりする。元気がない。
このような症状がみられた場合はこまめな水分補給が必要ですが、日ごろから水分補給の援助をしたほうが良いということは言うまでもありません。
★肺炎の予防に大切な入歯のケア
こんにちは。
介護の現場では病気の予防も仕事の一つです。
今回は肺炎予防について。。。
日本人の死亡原因の第4位は肺炎です。
肺炎で死亡する人の94%は75歳以上です。
そのうち70%以上が誤嚥に関係しているといわれています。
【誤嚥性肺炎とは?】
誤嚥性肺炎は、細菌が唾液や胃液と共に肺に流れこんで生じる肺炎です。
【原因は?】
①口の中の食べ残しによる誤嚥
口の中や入歯が不潔な状態だと寝ている時に唾液が気管の中に入り、同時に細菌も気管に入り、誤嚥してしまいす。
②胃逆流物による誤嚥
まとめ 内容物→肺に入る→肺炎になる ということです。
【予防法】
●口腔ケアをしっかりとしましょう!
歯ブラシで歯の隙間の汚れを落とし、歯茎、頬の内側、舌を磨く。ガーゼを使うと効果的です。
また、入歯は寝る時は外したほうが良いです。入れたままだと口の中の自浄作用が低下し細菌が増えてしまいます。肺炎にかかわらず、虫歯なのど歯の病気の原因となります。
入歯は日中は食後に掃除することが良いとされています。
●食後はすぐに横にならない習慣をつけましょう!
食後2時間は横にならないことがいいでしょう。胃からの逆流を防ぐ為です。
是非、現場や家族介護の参考にしてください。
★個人を尊重するべきです。
働く側で大切にしなければならないのはその方の意向を尊重することです。
一方的な援助はその方の自尊心を傷つけ人間の価値をさげます。
例えば入浴の場合。
入居者「体を洗う前に先にお湯に入りたい」
介護者「駄目です。先に体を洗いましょう」
先に入って全然OKです。
よく職員は入浴の目的を感染予防や清潔として考えがちですが、
本人からみれば入浴は「楽しみなこと」であることが多いです。
またアクティビティー(心身機能、身体機能の活性化)の一環として考えれば本人の望む入浴スタイルに自然と合わせやすくなるものです。
医療も介護も自己の決定を尊重するものです。
おしつけ援助はその方の自尊心を傷つけますよ。
これってよく考えれば当たり前ですよね。
★動作分割からその方の自立を支援する。
こんにちは。
介護では、本人のできることを見極めて援助を行うツールとして動作分割があります。
自立を目指し援助を考えるためのツールです。
動作分割とは字のまま、動作を分割する事です。
例えば、施設で朝食を動作分割で考えます。
8時が朝食の時間で5階のお部屋から
3階の食堂へエレベーターを使い移動するとします。
1連の動作を分割すると
①時計で8時と認識する。
②身支度をする
③靴をはく
④部屋を出る
⑤エレベーターに乗る
⑥3階へおりる
⑦食堂へいく。
次にできること、できないことにあてはめます。
①時計で8時と認識する。→できない
②身支度をする→できる
③靴をはく→できる
④部屋を出る→できる
⑤エレベーターに乗る→できる
⑥3階へおりる→できる
⑦食堂へいく。→できる
できないことを検証し援助に繋げる。
時計で8時と認識できないのはなぜか?
その方は時間の認識ができないのか?
視力の問題で時計が見えないのか?
朝と夜の判断ができなくなっているのか?などなど
検証し、改善できれば自立につながります。
是非、現場や家族介護で参考にしてください。
★食欲がなくなってしまった高齢者に対して~原因を探る~
こんにちは。
高齢者が困っていることの改善=生活の改善=生きる力が向上
これはその家族の幸せ、援助している介護者の幸せに繋がります。
今回は高齢者の食欲がなくなった場合に
介護者が観察するポイントについてまとめました。
~昔ながらの方法~
お粥や梅干しなどの軽い食事からとる。
みなさんも子供のころ、記憶にあるのではないでしょうか?
風邪などの場合は脱水を起こしていることが多く、それによって食欲がなくなる事があります。
お粥はたべやすく、梅干しは塩分を含み、食べれば水分を欲します。
これにより無理なく本人のペースで水分摂取できるのです。また塩分をとることが脱水の改善になります。
~他の原因は?観察のポイント6つ~
意思疎通が難しい高齢者の方を観察するときの参考になります。
①薬の影響
②胃腸がわるい
③食事の内容が不満
④食事の認識ができていない
⑤誤嚥をおこしている
⑥麻痺や手の障害がある
施設の現場ではこれらは原因になることが多いです。
家族介護でも参考になります。
~まとめ~
食事は生きるために必要であり楽しみのひとつです。
食事をとることがその方の生きる力に繋がります。
食事が再開できたときは介護者側もうれしい気持ちがあります。
★入浴を拒否される高齢者にたいして~原因を探る~
こんにちは。
高齢者が困っていることの改善=生活の改善=生きる力が向上
これはその家族の幸せ、援助している介護者の幸せに繋がります。
今回は入浴を拒否された場合、その原因をどのようにして解明していくかを
私が働いている施設を例にしてご紹介します。
家族介護や訪問介護の方にもご参考になれれば幸いです。
~実際の施設でのケース~
Hさま 女性
この方は認知症、右膝拘縮があります。
(障害をもつ前)は入浴はとても好きで毎日お風呂に入っていたそうです。
施設では毎回、入浴の拒否がみられます。
原因は何でしょうか?
介護業界では入浴拒否は以下3つの事が原因として多くあるそうです。
①以前、入浴で苦い経験をしている。
②人前で裸をみせたくない。
③そもそも入浴する習慣がない。
~対策~
過去の介護記録を精査したところ、この方は①以前、入浴で苦い経験をしていました。援助の際、右膝に負担がかかり痛みが生じていたのです。
入浴が苦痛なものになっていたのです。
そこで、職員で話し合い援助方法をかえて右膝の負担を和らげました。
~結果~
援助拒否は少なくはなりましたが、0ではありません。
まだまだ、対策をたてないとなりません。
日々、奮闘します。
~まとめ~
入浴はくつろぎを提供するもの。
しかたなしに習慣として行うことではありません。
どのようしにてくつろぎの時間を提供するかが大切です。