薬を飲んでいる高齢者へ どう介護職はかかわるのか?
こんにちは。
高齢者の方は多かれ少なかれ、薬を多く利用しています。
薬について介護職はどのような役割があるのでしょうか?
薬を処方するのは医師。
調剤して出すのは薬剤師。
服薬は看護師になります。
介護職は1包化した薬に限り薬介助をすることができます。
また、薬の効果や副作用などで生活がどのように変わったのかを観察するのも大切な仕事になります。
どう観察していけばよいのでしょうか?
・プラス面、マイナス面を評価する。
介護現場ではマイナス面を多く意識しがちです。例えば薬を処方してから怒りっぽくなった、叫ぶようになったなど、職員にとっての「困りごと」に注意がいきがちです。
これだけを医師に伝えてしますと行動を抑制する「鎮静剤」などを処方されるケースが多いです。
医師に総合的に判断してもらう為には総合的に観察してから相談しなければなりません。例えば怒りっぽいが失禁が減った、食欲が戻ったなどプラス面もみられる場合があります。総合的に伝えることで医師の判断材料も増え、最も効果的な治療法を導けるのです。
・薬の効果の見極め方は?
血圧測定、血液検査などで数値で判断できるものがあります。血圧測定は介護職も行えるため、医師への相談材料に有効です。
また、下剤などは直接、目で便の形状を確認できます。
しかし、神経系の薬(抗鬱剤、抗認知症薬など)は測定できず、日々の行動観察が重要となってきます。
最後に・・・。
医師に高齢者の状態を伝える役目を介護職は担っています。不十分な報告、相談で処方された薬は高齢者の状態を総合的に悪化させる場合もあるため、日ごろの観察には注意したいもので、職員全体で精度を上げることが求められます。
★高齢者は孤独なのか?介護者はどう向き合うべきか?
こんにちは。
「孤独」を辞書で引くと「他の人々との接触、関係、連絡がない状態を一般に指すこと」とあります。
私が働いている施設の一部の高齢者の方は1日の中で「孤独」な時間が多いかもしれません。いいかえれば少なくとも人との接触、関係、連絡は1日の中にあります。
ただ、この時間も人との関係に親密度や本人が充実感を感じられなければ「孤独」な時間となるのかもしれません。
人は誰かに必要とされて「生きがい」を感じることが多いと思います。マズローの欲求には「社会的欲求」があり、マザー・テレサも人に必要とされる大切さを論じています。
ここで考えたいのは、介護で孤独が多い高齢者にたいして「生きがい」「充実感」をどのように提供するかということです。
例えば援助で掃除があります。介護者が一人で掃除する場合と介護者と高齢者が一緒に掃除を行う場合は後者の方が高齢者の「充実感」が高いです。いいければ人は「役割」があるとこれが「充実感」「生きがい」に繋がりやすいのです。
無理に「役割」をあたえると「命令された」と感じ。「充実感」「生きがい」に繋がりません。
介護では自然に本人が充実できる「役割」を提供することが望ましいです。「役割」は高齢者同士のグループで自然に発生することが多く、介護者は高齢者同士のグループ化を援助することが求められます。また人間ですから気の合うグループができない時もあり、その時は介護者が高齢者とグループを作ればよいのです。
熱中症から高齢者を守る 緊急時のケア
こんにちは。
いよいよ気温が高くなってきましたね。
この時期、毎年、天気予報やニュースなどで「熱中症に注意しましょう。」と話題になります。
実は熱中症で亡くなる方は高齢者が最も多いそうです。
高齢者の生活を守る為に介護者は「熱中症」の対応を知っておきたいところです。
熱中症とはどのようなことか?メカニズムは?
人間の体は体温調整のメカニズムがあります。たとえば運動や熱い場所(サウナ)などで人間の体温は上がりますが、汗をかくことで体温を下げて調整します。
この体温調整のバランスがくずれると熱中症になります。
夏は気温が高いので熱中症になりやすいのです。
熱中症の症状は?
(レベル1)・痙攣
(レベル2)・めまい、頭痛、嘔吐
(レベル3)・体温上昇、意識低下
どう対応すればよいのか?
症状がみられたら、涼しい場所へいき、衣類を緩めましょう。これにより熱が身体の外へ逃がしやすくなります。
その後はレベルによって対応します。
レベル1・痙攣
ポカリスエットを飲んで横になり休んで頂く。
レベル2・めまい、頭痛、嘔吐
ポカリスエットを飲んで横になり休んで頂く。また足を枕などであげて休む。
※レベル1、2も対応後、回復しなければ救急車を呼びましょう。
レベル3
体に水をかけ冷やし救急車を呼ぶ。
※意識低下により水分補給ができません。
以上が、介護者ができる対応です。
もしもの時は落ち着いて対応しましょう。
予防として、日ごろ、介護者は高齢者の室温状況の確認や、こまめな水分補給の促しなどの援助が必要です。
★高齢者の骨粗しょう症・骨折 介護でどうケアしていくのか??
こんにちは。
高齢になる=老化すると人の骨はもろくなりやすいものです。
代表的な疾患は骨粗しょう症です。
骨は骨の破壊と骨の形成を繰り返して少しずつ生まれ変わっています。これを骨代謝といいます。
骨粗しょう症の病気はどのような特徴があるのでしょうか?
・骨代謝のバランスが崩れ、骨密度が減少して骨折しやすくなる。
・軽い転倒でも骨折しやすく寝たきりの原因になる。
・骨折しないと自覚症状はない。
原因はなんでしょうか?
・カルシウム不足
・骨をつくるホルモンの不足
・運動不足
・日光不足
・ステロイド剤の影響
などがあります。
ケアのポイントは?
・カルシウム摂取、適度な運動、日光浴により予防します。
・治療は薬物療法で骨の破壊を抑える薬、骨の形成を助ける薬、破壊と形成のバランスを保つ薬などが使われます。
・転倒の予防を常に心がけることが大切です。
まとめ
常日ごろの生活で骨を強くすることが大切ですね!食事、運動、散歩などをその方に負担なく楽しく提供できればお互いにうれしいですね!
★熱、下痢、嘔吐への安心対応
こんにちは。
高齢者の方の熱、下痢、嘔吐の症状は施設や在宅介護で稀にみることがあります。
症状を理解することで安心してケアをすることできます。
・熱
体内にあるバイキンと戦うために体温が上がります。
悪寒(さむけ)は体温を上げるサインです。悪寒中に解熱剤やヒエピタなど使用し体温を下げてしまうと意味がありません。
・下痢、嘔吐
体内の毒素を排出する現象です。
介護ではどうケアすればよいのか?
・熱
体温が上がると体外に水分がでるので、脱水になりやすく水分補給をゆっくりと行いましょう。
ヒエピタなどで体を冷やしても体内のバイキンを殺菌するなど原因を解決することは関係ありませんが、本人が楽になるという効果はあります。
・下痢
水分が多めに排出されるので脱水になりやすく水分補給をゆっくりと行いましょう。
・嘔吐
嘔吐後は仰向けにならず右側か左側をむいて休んでもらいましょう。続いて嘔吐があった場合に仰向けになると外に吐きにくく、誤嚥や窒息してしまうことがあります。
水分が多めに排出されるので脱水になりやすく水分補給をゆっくりと行いましょう。
症状の意味を理解し、落ち着いて対応すれば高齢者も私たちもお互いに安心ですね。
★心臓の機能が低下した高齢者へ 介護者ができることは?
こんにちは。
心臓の機能が低下した症状を心不全といいます。
心不全は高齢者の死亡率トップ3です。
どういう症状??
心臓のポンプ機能が低下し、内臓や脳が必要とするだけの血液を十分に送り出せない状態をいいます。
心臓から体内へ血液が流れる力が弱くなるとどうなるのか?
息切れ、呼吸困難、狭心症、疲労、動悸、食欲減少、尿量減少によるむくみ、肺に水が溜まるなどの症状がでます。
症状のレベルは4つに分類されます。
レベル1:日常生活では症状がでない。
レベル2:階段を上る、坂道を歩くときに症状がでる。
レベル3:普通に歩いていて症状がでる。
レベル4:安静にしていて症状がでる。
どう介護していけばよいのか?
・生活習慣の見直しが必要で、塩分制限、禁煙、節酒、排便時にいきまないように援助します。
・高齢者の場合は心臓の機能が低下していても最初は症状があまりです、活動量の低下、四肢の冷感、うつ、認知症症状(記憶障害、見当識障害)だけが見られる場合があり、日々慎重に観察します。
・心臓には、本来予備機能(いざという時の為の余力)があり、心不全は予備機能が低下します。感染症、低栄養、貧血にかかるとより心臓機能が低下するのでこれらの予防を行います。
・呼吸困難時は仰臥位ではなく体をおこした状態(起座位)のほうが自覚症状が和らぐ場合があります。
・心不全の悪化のサインとして血圧、脈拍の変化、体重の増量、尿回数、尿量の変化があり、定期的に測定が必要です。
ぜひ介護の参考に!!
★不眠で悩んでいる高齢者 どうケアするのか??
こんにちは。
不眠で寝不足だと、翌日の仕事や勉強など辛いですよね。
高齢者に多い症状で介護施設でもよくみられます。
高齢者不眠の原因はなんでしょうか?
昼寝が増え、夕方なると眠くなり、早朝に起床するという、生活が全体的に前方にシフトしてしまう睡眠パターンになることもあり、特に男性高齢者で多くみられるといわれています。
また、生理的な変化に加え、抑うつ、ストレス、不安といった心理的なことが原因になっていることもあります。
睡眠薬は危険??
安易に睡眠薬を使うと、睡眠リズムを乱すことに繋がったたり、転倒や誤嚥などの事故のリスクが高くなります。
どうケアしていくのか?
・痛みやかゆみがないかを確認する。
認知症の方は訴えが難しい場合が多く、介護者の日ごろの観察が重要です。
・優しい光で眠る。
可能であれば寝る2~3時間程度前からオレンジ色の間接照明を使用すると副交感神経に切り替わり眠りやすいです。
・足を温めてから寝る。
寝る1時間程度前に少し体温を上げることでその後体温が下がるときの眠気を利用することで自然な睡眠へ導ける可能性があります。
・アロマをたく
心が落ち着き、よい状態で眠りやすくなります。
効果はその方によって違うと思いますが、まずは眠れない原因を探ることが必要です。
原因からいろいろと取り組んでみましょう!