認知症の詩 ~人間はみんな平等だ~ 介護職員より

介護施設で働いています。認知症の方から日々、勉強させて頂いてます。ブログを通じて、認知症の方が今以上に平等に暮らせる世の中を願ってます。

苦手な高齢者に対してどのように接するのか?

こんにちは。

 

f:id:akimarito:20160628182338p:plain

 

 

私は介護の仕事で苦手な高齢者がいます。

その方は一週間前に入居してきた方で、

援助に入る前は憂鬱な気分になります。

 

1日目、2日目と援助を重ねるごとに「この人の援助はなんか嫌だな」と心の中で思ってしまい、自分の中ではきっりとした理由がわかりませんでした。

 

「嫌だな」おもう理由を探すために原因を箇条書きにしました。

・文句を言われることが嫌だ。

・私の話が相手に伝わらず、援助がうまくいかない。

・今までにない経験で、自分のプライドがボロボロ。

そして、この中で一番の理由を考え、コミュニケーションを改善すれば、全ての理由が改善すると思いました。

 

 

この方は難聴で、これに合った話し方をする必要があります。

今までは難聴の方に対しては声を低く、ゆっくりと大きな声で話しかけることで伝わっていましたが、この方はあまり伝わりません。

試行錯誤してヘッドホン式補聴器の集音部分に話しかけると伝わりやすいことがわかり、コミュニケーションが取れるようになり、「嫌だな」と思うこともなくなりました。援助もスムーズに文句の数も減りました。

 

久しぶりに援助の難しさを実感し、改善の為には自分を分析する(何が苦手なのか、どうして嫌なのか)ことが大切だと思いました。

人に相談することで以外にすぐ解決することもあると思います。

 

嫌な原因もぼやけて改善策も見つからなかった数日間は仕事が楽しくありませんでしたが、今は楽しいです。

努力が実った時はうれしいものです。

今後も精進します。

 

BPSDをケアと薬で改善する。医師へどう薬の見直しを働きかけるか?

こんにちは。

 

f:id:akimarito:20160627190019p:plain

 

 

介護者は認知症の不穏症状や徘徊などの症状(BPSD)について原因を考える時に、現在、服用している薬のリスクを考えることが多いです。薬が効いていないのではないか?副作用がでているのではないか?など考えることが多いです。

 

こうなると、医師へ相談することになりますが、医師に薬の変更について、なかなか言いづらいものです。また、介護者が何もしていないのに「薬を減らしてほしい」と伝えても難色を示されることが多いです。

 

ではBPSDの薬の見直しについてどうのように医師へ相談すればよいのでしょうか?

 

3つの取り組みを行い、これらの実績を医師を伝えると医師は薬の見直しに前向きになりやすいです。

 

取組① 利用者の24時間を明らかにする。

1日の中で食事、排泄、服薬時間、起床、就寝、入浴と明らかにします。

次に落ちついている時間と不穏な時間を記録していきます。

さらに、不穏な時間については定期の時間、不定期の時間におこっているのかを分けます。

 

取組② 定期の時間に症状がでる場合、薬以外の原因を推測しケアを見直し実践する。

例えば、夕食前に不穏の症状がでた場合、原因の推測として、その時間は部屋の明かりがついていなく真っ暗だった、夕食後に失禁していたなど事実にもとづき推測します。次に日が落ちる前に部屋の明かりをつける、夕食前にトイレ誘導を行うなどケアを見直し実践します。

実践後に症状がでているか、改善されているかを記録していきます。

 

取組③ 不定期の時間に症状がでる場合、薬以外の原因を推測しケアを見直し実践する。

不定期時間の症状として、せん妄、ふらつきの症状や昼夜逆転などがあります。

これについて脱水、昼間に寝ているなど原因を特定していきます。これについては水分補給、生活習慣の改善(レクリエーションなどに参加し、日中の活動時間を増やす。)などケアを見直し実践します。

実践後に症状がでているか、改善されているかを記録していきます。

 

まとめ

症状を特定し、ケアを見直し、その後の症状がどうなったのか?

これらを記録し実績をつくることが大切です。

根拠と実績があれば、医師は薬の見直しに協力しやすいものです。

症状、原因、ケアの見直し、評価と常日頃、介護者はクセをつけることが必要です。

 

高齢者の要望にこたえよう!!

こんにちは。

 

f:id:akimarito:20160623224950j:plain

 

各介護施設によって高齢者から要望が少なかったり多かったりとまちまちです。

要望が多い施設では職員と高齢者の関係が良好だったり、雰囲気が良かったりします。

 

さて、要望にこたえるとはどのようなことでしょうか?たとえそれがかなわなくても高齢者と話し合いをする、しないとでは高齢者との関係も変わってきます。

話し合いをすることで高齢者の価値を高めることや、ぎくしゃくした関係を防ぐことができるので、要望がでたら話し合うことは大切です。

 

施設が一方的に決めたルールを提供するよりも、高齢者の要望に沿って、ルールを決め、サービスを提供することが顧客満足につながります。

 

 

うつ病の薬を飲んでいる高齢者をどうケアしていくか?

こんにちは。

 

高齢者のうつ病の原因はさまざまです。

喪失体験、老化、脳血管障害、神経物質の栄養不足などが組み合わさって生じます。

 

f:id:akimarito:20160622215156j:plain

 

症状は心と身体で分けることができます。

●心の不調

抑うつ気分 ・ゆううつ ・もの悲しい ・興味の低下

・思考力の低下 ・やるきの低下 ・落ち着かない

・いらいら ・午後になると気分が晴れる

●体の不調

・不眠

・食欲不振 ・体重減少

・下痢 ・倦怠感 ・息切れ ・発汗

 

 

治療は薬物療法がおこなわれ、抗うつ薬は高齢者でも有効とされています。

どのような薬の種類があるのでしょうか?

・三環系抗うつ薬(商品名:トリプタノールトフラニール

・四環系抗うつ薬(商品名:テトラミドルジオミール

・SSRI(商品名:デプロメールルボックスジェイゾロフト

・SNRI(商品名:トレドミンサインバルタ

 

 

 

抗うつ薬を飲んでいる高齢者に対して介護者はどうケアしていくのか?

 

ケアその1

副作用が飲み始めに現れやすく注意して観察を行う。

副作用は嘔吐、食欲不振、便秘、睡眠障害、口渇、歩行力低下などが代表的です。

 

ケアその2

飲酒、脱水は症状を悪化させるのため注意する。

 

ケアその3

薬物療法を継続しながら、安静にできる声かけや、不眠を解消するケア(日中の活動を無理のないように増やす)などが必要です。また、閉じこもりを防止するケアも必要です。

 

高齢者の方に寄り添いながら治療のサポートが大切ですね!

 

 

高齢者のケアについて 高齢者と介護者は何を目指すのか?

こんにちは。

 

要介護認定を受けた高齢者の方は何らかの障害をお持ちになっています。

麻痺、骨折治療、認知症など、さまざまでしょう。

 

f:id:akimarito:20160621233719p:plain

 

 

この方々をケアするとき介護者は何を基準にするべきなのでしょうか?

また、ケアを受ける高齢者はケアを受けてどうしたいのでしょうか?

 

やはり、最終目標はみなさん、障害をもつ前の普通の生活に戻りたいのだと思います。

 

ここで大切なのことはケアプランです。

 

介護保険はケアプランをもとにケアを行わなければならず、ケアプランは障害をもつ前の生活にできるだけ近いプランをたてることが大切です。

また、障害をもつ前の生活がわからないことがあれば、同年代の生活を参考にケアプランをたてることが大切です。

 

 

睡眠導入剤を使用している高齢者に対して 介護者ができることとは?

こんにちは。

 

睡眠導入剤を利用している高齢者の方はたくさんいらっしゃいます。

介護職は効果を観察し、睡眠導入剤がその方に合っていなければ医療職と相談し、処方を検討することが求められます。

 

f:id:akimarito:20160621223915p:plain

 

睡眠導入剤もいろいろな種類があります。

 

 

バルビツール酸系睡眠薬(商品名:ラボナイソミタールバルビタール

バルビツール酸系睡眠薬では、脳の活動を強力に抑えることで睡眠をもたらします。効果は非常に強いですが依存性が高く、安全性が低い睡眠薬です。

※副作用レベル 超高

 

 

 

ベンゾジアゼピン睡眠薬

催眠作用、抗不安作用、筋弛緩作用、健忘作用があり、

睡眠効果が長い、短いで種類が分けられます。

※副作用レベル 高

 

長時間作用型(商品名:ダルメートソメリンドラール

中間型睡眠薬(商品名:デパスセルシン

※早朝目が覚めてしまう方や途中でまが覚めてしまう方に処方される効果持続時間が長いタイプの薬になります。

 

短時間作用型睡眠薬(商品名:ロラメット

超時間作用型睡眠薬(商品名:ハルシオン

※効果が短いので、寝始めの時に効果があり、3~4時間ぐらいで効果が和らぐので、目覚めが良いという特徴もあるようです。

 

 

ベンゾジアゼピン睡眠薬(商品名:マイスリーアモバン、ルネスタ

※抗不安作用、筋弛緩作用の効果がでにくく、ベンゾジアゼピン睡眠薬を改良した薬です。

※副作用レベル 低

 

メラトニン受容体作動薬(商品名:ロゼレム)

※体内時計を調整し、副作用がでにくいのが特徴です。

 ※副作用レベル 超低

 

 

介護者はその方の生活に副作用がでていなかチェックしましょう!

バルビツールからメラトニン受容体作動薬まで以下の副作用がでることあります。

●痙攣、ふらつき、転倒

●日中の眠気、倦怠感

●健忘(ものわすれ)

●抗コリン作用(副交感神経が抑制され、便秘、尿閉緑内障悪化、認知力低下などの症状がでる)

●せん妄

●呼吸抑制

 

まとめ

介護者は睡眠導入剤を使用している高齢者の方に対して、1日、1日の様子を観察し、よい変化もわるい変化も医療職へ相談し、薬の使用を検討してもらいましょう!

 

 

 

認知症の薬について 介護者はどのように援助するのか?

こんにちは。

 

認知症の方に対して専門の薬を投与して生活を改善することは多くみられます。

 

 

 

f:id:akimarito:20160618231250p:plain

 

 

 

認知症とはどうのうよな症状か?

認知症とは、いったん正常に発達した成人の知的機能が脳の障害により後天的に持続的に低下し、日常生活に支障をきたす状態をいいます。

 

症状は2グループにわけられます。

・中核症状

記憶障害、遂行機能障害、判断力の低下、見当識障害、失行、失認、失語など

・BPSD(周辺症状)

陽性症状・・・怒り、興奮、暴力、妄想、徘徊など

陰性症状・・・無気力、無関心、閉じこもりなど

 

中核症状とBPSDに効果的な薬は??

・中核症状には抗認知症薬が使用されます。

認知症薬の種類は?

コリンエステラーゼ阻害薬

メマンチン

・BPSDには向精神薬が使用されます。

向精神薬の種類は?

睡眠導入剤

抗不安薬

抗精神病薬

てんかん

抑肝散

 

 

 

介護者の観察ポイントは?

副作用は増量直後にみられることが多く、観察、注意が必要です!!

 

・抗認知症薬の副作用

怒りやすくなる、興奮、暴力

嘔吐、食欲不振

失禁、頻尿

歩行力低下

不整脈

認知力低下

意識障害、傾眠

 

向精神薬の副作用

活気低下

ふらつき

尿閉

眼圧の上昇

循環器疾患の悪化

めまい

転倒、骨折

便秘

緑内障の悪化

 

薬の服用の前にできることとは?

認知症のBPSDに対して、すぐに服用するのではなく、まずはかかわりで症状を落ち着かせることを検討します。それでも改善されない場合は薬を使用し、BPSDが改善されたら減量、中止します。

症状が落ち着いたら、社会的な交流につないでいくことが、再発防止のうえで重要です。