認知症の詩 ~人間はみんな平等だ~ 介護職員より

介護施設で働いています。認知症の方から日々、勉強させて頂いてます。ブログを通じて、認知症の方が今以上に平等に暮らせる世の中を願ってます。

睡眠導入剤を使用している高齢者に対して 介護者ができることとは?

こんにちは。

 

睡眠導入剤を利用している高齢者の方はたくさんいらっしゃいます。

介護職は効果を観察し、睡眠導入剤がその方に合っていなければ医療職と相談し、処方を検討することが求められます。

 

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睡眠導入剤もいろいろな種類があります。

 

 

バルビツール酸系睡眠薬(商品名:ラボナイソミタールバルビタール

バルビツール酸系睡眠薬では、脳の活動を強力に抑えることで睡眠をもたらします。効果は非常に強いですが依存性が高く、安全性が低い睡眠薬です。

※副作用レベル 超高

 

 

 

ベンゾジアゼピン睡眠薬

催眠作用、抗不安作用、筋弛緩作用、健忘作用があり、

睡眠効果が長い、短いで種類が分けられます。

※副作用レベル 高

 

長時間作用型(商品名:ダルメートソメリンドラール

中間型睡眠薬(商品名:デパスセルシン

※早朝目が覚めてしまう方や途中でまが覚めてしまう方に処方される効果持続時間が長いタイプの薬になります。

 

短時間作用型睡眠薬(商品名:ロラメット

超時間作用型睡眠薬(商品名:ハルシオン

※効果が短いので、寝始めの時に効果があり、3~4時間ぐらいで効果が和らぐので、目覚めが良いという特徴もあるようです。

 

 

ベンゾジアゼピン睡眠薬(商品名:マイスリーアモバン、ルネスタ

※抗不安作用、筋弛緩作用の効果がでにくく、ベンゾジアゼピン睡眠薬を改良した薬です。

※副作用レベル 低

 

メラトニン受容体作動薬(商品名:ロゼレム)

※体内時計を調整し、副作用がでにくいのが特徴です。

 ※副作用レベル 超低

 

 

介護者はその方の生活に副作用がでていなかチェックしましょう!

バルビツールからメラトニン受容体作動薬まで以下の副作用がでることあります。

●痙攣、ふらつき、転倒

●日中の眠気、倦怠感

●健忘(ものわすれ)

●抗コリン作用(副交感神経が抑制され、便秘、尿閉緑内障悪化、認知力低下などの症状がでる)

●せん妄

●呼吸抑制

 

まとめ

介護者は睡眠導入剤を使用している高齢者の方に対して、1日、1日の様子を観察し、よい変化もわるい変化も医療職へ相談し、薬の使用を検討してもらいましょう!

 

 

 

認知症の薬について 介護者はどのように援助するのか?

こんにちは。

 

認知症の方に対して専門の薬を投与して生活を改善することは多くみられます。

 

 

 

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認知症とはどうのうよな症状か?

認知症とは、いったん正常に発達した成人の知的機能が脳の障害により後天的に持続的に低下し、日常生活に支障をきたす状態をいいます。

 

症状は2グループにわけられます。

・中核症状

記憶障害、遂行機能障害、判断力の低下、見当識障害、失行、失認、失語など

・BPSD(周辺症状)

陽性症状・・・怒り、興奮、暴力、妄想、徘徊など

陰性症状・・・無気力、無関心、閉じこもりなど

 

中核症状とBPSDに効果的な薬は??

・中核症状には抗認知症薬が使用されます。

認知症薬の種類は?

コリンエステラーゼ阻害薬

メマンチン

・BPSDには向精神薬が使用されます。

向精神薬の種類は?

睡眠導入剤

抗不安薬

抗精神病薬

てんかん

抑肝散

 

 

 

介護者の観察ポイントは?

副作用は増量直後にみられることが多く、観察、注意が必要です!!

 

・抗認知症薬の副作用

怒りやすくなる、興奮、暴力

嘔吐、食欲不振

失禁、頻尿

歩行力低下

不整脈

認知力低下

意識障害、傾眠

 

向精神薬の副作用

活気低下

ふらつき

尿閉

眼圧の上昇

循環器疾患の悪化

めまい

転倒、骨折

便秘

緑内障の悪化

 

薬の服用の前にできることとは?

認知症のBPSDに対して、すぐに服用するのではなく、まずはかかわりで症状を落ち着かせることを検討します。それでも改善されない場合は薬を使用し、BPSDが改善されたら減量、中止します。

症状が落ち着いたら、社会的な交流につないでいくことが、再発防止のうえで重要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薬を飲んでいる高齢者へ どう介護職はかかわるのか?

こんにちは。

 

高齢者の方は多かれ少なかれ、薬を多く利用しています。

薬について介護職はどのような役割があるのでしょうか?

薬を処方するのは医師。

調剤して出すのは薬剤師。

服薬は看護師になります。

介護職は1包化した薬に限り薬介助をすることができます。

また、薬の効果や副作用などで生活がどのように変わったのかを観察するのも大切な仕事になります。

 

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どう観察していけばよいのでしょうか?

 

・プラス面、マイナス面を評価する。

介護現場ではマイナス面を多く意識しがちです。例えば薬を処方してから怒りっぽくなった、叫ぶようになったなど、職員にとっての「困りごと」に注意がいきがちです。

これだけを医師に伝えてしますと行動を抑制する「鎮静剤」などを処方されるケースが多いです。

医師に総合的に判断してもらう為には総合的に観察してから相談しなければなりません。例えば怒りっぽいが失禁が減った、食欲が戻ったなどプラス面もみられる場合があります。総合的に伝えることで医師の判断材料も増え、最も効果的な治療法を導けるのです。

 

・薬の効果の見極め方は?

血圧測定、血液検査などで数値で判断できるものがあります。血圧測定は介護職も行えるため、医師への相談材料に有効です。

また、下剤などは直接、目で便の形状を確認できます。

しかし、神経系の薬(抗鬱剤、抗認知症薬など)は測定できず、日々の行動観察が重要となってきます。

 

 

 

最後に・・・。

医師に高齢者の状態を伝える役目を介護職は担っています。不十分な報告、相談で処方された薬は高齢者の状態を総合的に悪化させる場合もあるため、日ごろの観察には注意したいもので、職員全体で精度を上げることが求められます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★高齢者は孤独なのか?介護者はどう向き合うべきか?

こんにちは。

 

 「孤独」を辞書で引くと「他の人々との接触、関係、連絡がない状態を一般に指すこと」とあります。

 

 私が働いている施設の一部の高齢者の方は1日の中で「孤独」な時間が多いかもしれません。いいかえれば少なくとも人との接触、関係、連絡は1日の中にあります。

 ただ、この時間も人との関係に親密度や本人が充実感を感じられなければ「孤独」な時間となるのかもしれません。

 

 人は誰かに必要とされて「生きがい」を感じることが多いと思います。マズローの欲求には「社会的欲求」があり、マザー・テレサも人に必要とされる大切さを論じています。

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 ここで考えたいのは、介護で孤独が多い高齢者にたいして「生きがい」「充実感」をどのように提供するかということです。

 

 例えば援助で掃除があります。介護者が一人で掃除する場合と介護者と高齢者が一緒に掃除を行う場合は後者の方が高齢者の「充実感」が高いです。いいければ人は「役割」があるとこれが「充実感」「生きがい」に繋がりやすいのです。

 無理に「役割」をあたえると「命令された」と感じ。「充実感」「生きがい」に繋がりません。

 

 介護では自然に本人が充実できる「役割」を提供することが望ましいです。「役割」は高齢者同士のグループで自然に発生することが多く、介護者は高齢者同士のグループ化を援助することが求められます。また人間ですから気の合うグループができない時もあり、その時は介護者が高齢者とグループを作ればよいのです。

 

 

 

熱中症から高齢者を守る 緊急時のケア

こんにちは。

 

いよいよ気温が高くなってきましたね。

この時期、毎年、天気予報やニュースなどで「熱中症に注意しましょう。」と話題になります。

実は熱中症で亡くなる方は高齢者が最も多いそうです。

高齢者の生活を守る為に介護者は「熱中症」の対応を知っておきたいところです。

 

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熱中症とはどのようなことか?メカニズムは?

人間の体は体温調整のメカニズムがあります。たとえば運動や熱い場所(サウナ)などで人間の体温は上がりますが、汗をかくことで体温を下げて調整します。

この体温調整のバランスがくずれると熱中症になります。

夏は気温が高いので熱中症になりやすいのです。

 

熱中症の症状は?

(レベル1)・痙攣

(レベル2)・めまい、頭痛、嘔吐

(レベル3)・体温上昇、意識低下

 

どう対応すればよいのか?

症状がみられたら、涼しい場所へいき、衣類を緩めましょう。これにより熱が身体の外へ逃がしやすくなります。

その後はレベルによって対応します。

 

レベル1・痙攣

ポカリスエットを飲んで横になり休んで頂く。

レベル2・めまい、頭痛、嘔吐

ポカリスエットを飲んで横になり休んで頂く。また足を枕などであげて休む。

※レベル1、2も対応後、回復しなければ救急車を呼びましょう。

 

レベル3

体に水をかけ冷やし救急車を呼ぶ。

※意識低下により水分補給ができません。

 

以上が、介護者ができる対応です。

もしもの時は落ち着いて対応しましょう。

予防として、日ごろ、介護者は高齢者の室温状況の確認や、こまめな水分補給の促しなどの援助が必要です。

 

 

 

 

 

★高齢者の骨粗しょう症・骨折 介護でどうケアしていくのか??

こんにちは。

 

高齢になる=老化すると人の骨はもろくなりやすいものです。

代表的な疾患は骨粗しょう症です。

 

骨は骨の破壊と骨の形成を繰り返して少しずつ生まれ変わっています。これを骨代謝といいます。

 

骨粗しょう症の病気はどのような特徴があるのでしょうか?

・骨代謝のバランスが崩れ、骨密度が減少して骨折しやすくなる。

・軽い転倒でも骨折しやすく寝たきりの原因になる。

・骨折しないと自覚症状はない。

 

原因はなんでしょうか?

・カルシウム不足

・骨をつくるホルモンの不足

・運動不足

・日光不足

ステロイド剤の影響

などがあります。

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ケアのポイントは?

・カルシウム摂取、適度な運動、日光浴により予防します。

・治療は薬物療法で骨の破壊を抑える薬、骨の形成を助ける薬、破壊と形成のバランスを保つ薬などが使われます。

・転倒の予防を常に心がけることが大切です。

 

まとめ

常日ごろの生活で骨を強くすることが大切ですね!食事、運動、散歩などをその方に負担なく楽しく提供できればお互いにうれしいですね!

 

 

 

 

★熱、下痢、嘔吐への安心対応

こんにちは。

 

高齢者の方の熱、下痢、嘔吐の症状は施設や在宅介護で稀にみることがあります。

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症状を理解することで安心してケアをすることできます。

・熱

体内にあるバイキンと戦うために体温が上がります。

悪寒(さむけ)は体温を上げるサインです。悪寒中に解熱剤やヒエピタなど使用し体温を下げてしまうと意味がありません。

・下痢、嘔吐

体内の毒素を排出する現象です。

 

介護ではどうケアすればよいのか?

・熱

体温が上がると体外に水分がでるので、脱水になりやすく水分補給をゆっくりと行いましょう。

ヒエピタなどで体を冷やしても体内のバイキンを殺菌するなど原因を解決することは関係ありませんが、本人が楽になるという効果はあります。

 

・下痢

水分が多めに排出されるので脱水になりやすく水分補給をゆっくりと行いましょう。

 

・嘔吐

嘔吐後は仰向けにならず右側か左側をむいて休んでもらいましょう。続いて嘔吐があった場合に仰向けになると外に吐きにくく、誤嚥や窒息してしまうことがあります。

水分が多めに排出されるので脱水になりやすく水分補給をゆっくりと行いましょう。

 

症状の意味を理解し、落ち着いて対応すれば高齢者も私たちもお互いに安心ですね。