認知症の詩 ~人間はみんな平等だ~ 介護職員より

介護施設で働いています。認知症の方から日々、勉強させて頂いてます。ブログを通じて、認知症の方が今以上に平等に暮らせる世の中を願ってます。

★内出血の介護ケア

こんにちは。

 

介護の現場では高齢者の方にわりあい多く内出血(皮下出血)がみられます。

要介護度が高い方、箇所は腕や足に多いです。

 

●どういう方にできやすいのか??

皮膚が弱い方にできやすいです。

皮膚が乾燥していることや筋肉の低下により皮膚の機能が低下しておこります。

薬に影響されることもあります。血の流れをよくする薬を飲んでいる場合、血の塊ができにくく内出血した場合、広範囲で治りが遅いです。

 

 

●なぜできるのか??

衝撃、摩擦、圧迫により生じます。

皮膚の機能低下や薬の影響により少しの力で生じます。

 

●ケアで注意することは??

皮膚の機能向上をめざします。

そのために保湿剤を塗り乾燥を防ぐこと、また、水分をしかっりと摂り乾燥を防ぐことが大切です。

皮膚を保護する為に腕や足にサポーターをすることも必要です。

 

実際の援助でも注意することがあります。

腕や手足をつかまないことで圧迫による出血を防げます。車いすの移乗でもサイドレールやフットサポートにあたらないように行います。

摩擦の防止は寝ている時に衣類、シーツのしわがないかを確認し、ベッドマットは摩擦が生じにくい柔らかいタイプを使用します。

 

以上のことに注意しケアを行うことで内出血の発生を少なくできます。

是非、実際の現場で実践してみてください。

 

 

★食事について心がけること

こんにちは。

 

食事は介護の現場では「生きるための必要性」が強調されがちです。

強調されがちだと入居者の気持ちとズレることがあります。

例えば全部食べてもらうように介助する、介助者のペース(無理にほおばってします)で食べ物を口に運ばせるなど、入居者の方のペースや気持ちにそくしていないことがあります。

 

「生きるための必要性」は大切ですが、食事は本来は楽しむものであり、入居者の方には嗜好があり、また、こだわりの食べ方も人によってはあるでしょう。このことも介助者は大切にしなければなりません。

これに加え、観察に注意して介助をすれば楽しく安心して食事をとることができます。

 

介助中に体調の確認、嗜好の確認をすること、

また、一緒に食事をしながら介助をする場合は飲み込みの確認が時間に余裕が生まれてしっかりとでき、介助のスピードもゆっくりとなります。

 

時間のゆとりが生まれる結果、安心して楽しく食事をとることができます。

 

 

 

★食欲が低下した場合の高齢者ケア

こんにちは。

 

発熱、風邪などにかかると食欲がなくなる経験は誰もがあるとおもいます。多くの原因は発汗などで体の水分が少なくなり血圧が下がり、これによって消化機能の働きが低下して起こる、いいかえれば脱水症状です。

 

脱水による食欲低下は高齢者に多くみられます。

このような方に対してどのような援助をするのがよいのでしょうか?

高齢により若い人に比べ喉がかわきにくく、水分をすすめても思うように飲んでくれないことがあります。

このような場合は塩分が多いもの(梅干し等)がおすすめです。食べたあとは自然と水分がほしくなります。また、脱水により消化機能が低下しているのでお粥や豆腐など軽い食べ物が好ましいです。

たいていの方はこの対応で食事、水分をとることができます。

 

体調が悪い方に対して、昔から行ってきた食事療法ですが、施設では忘れがちにされています。

是非、みなさん援助の参考に!

 

 

 

★緊急時の対応について職員は何を判断すればよいのか?

 こんにちは。

 

 施設では夜間の勤務があります。この時間帯は現場職員だけで勤務する(施設長不在)ことが多いのが現状です。

 

 入居者の方の体調悪化や怪我等が発生した場合は現場職員がどのように対応するかを判断しなければなりません。判断するポイントがわからず対応を怠ればその方の命に関わります。

 では、どういった場合に緊急時の対応を行えばよいのでしょうか?

 

  [ポイント]

  •  意識状態の著しい低下
  •  呼吸状態の著しい低下
  •  大量の出血
  •  重度の火傷

 これらについてはすぐに救急対応をする必要があります。

 

 また、これらの程度が低く判断に迷う場合(呼吸が少しおかしい、意識レベルがやや低下している等)は血圧、体温、脈拍を測定し、判断材料にするとよいです。

 

 判断材料が多いほどかかりつけ医師等に報告する際にその後の対応がスムーズになりやすいです。

 

 心肺蘇生や火傷の初期対応等のその場の技術は必要ですが、なかなか知識、経験が浅い人ほど実際はできないことがあります。しかし、どういう状態で命をおとす危険性が

あるのかを知っておくだけで専門職に伝達ができ、命を救うことができます。

 緊急対応の入門編ですが、実際の現場で参考にして下さい。

 

 

 

★施設でみられるレベルの低い接客

こんにちは。

 

 レストランでステーキAセットを注文すると、ステーキができあがって、店員がテーブルにもってくる時はお客さんへ「ステーキAセットになります」と商品の説明を行い、テーブルにおきます。美容院でシャンプーをする時は店員が「シャンプーをしますので隣のイスへご案内します」と説明します。お店でみられる当たり前のことではありますが、これらの説明がなかったらどうでしょうか?不快に思うお客さんが多いのではないでしょうか?また、もう一度、そのお店にいこうとは思はないのではないでしょうか?

 介護施設では世間でみられる当たり前のことができていない場面があります。入居者の方に対し、今から行う援助の説明をせず、オムツ交換や食事介助をすることがみられます。働いていた当初はしっかりと説明をしていた職員もいたでしょう。周りの環境や業務の忙しさで無意識のうちに説明しないことに慣れてしまったのかも知れません。

慣れ=高齢者差別になってしまいます。

世間ではあたり前でできている接客が介護施設ではできていないことが多いです。

 

 

 なぜ介護施設はレベルの低い接客が許されるのか?それは入居者がクレームをいわないからです。

 理由1:クレームがいえない環境がある。

 理由2:他の施設に転居できない。(家族、個人の事情が多い)

 これらの理由からレベルの低い接客をしてもあまり大きな問題として取り上げられません。(ニュースは新聞では介護事故、虐待は多く取り上げられますが。。。)

 また、病院にもいえます。敬語を使わないナースなど、接客レベルが低い病院もあります。この理由も患者はいろいろな理由で病院を変えれないことがあります。

 

 接客レベルを上げるには、はじめに入居者の方をお客様として考えることです。職員がこのことを理解しなければ、接客用語を教えただけではなかなか浸透しません。ボランティアではなく入居者の方からお金をいただき、これによって我々の給与が支払われていることを忘れてはいけません。

 

 

★座ることの大切さ

高齢者介護では「寝たきり」というキーワードがでてくることが多いです。

寝たきりになると体と心にどのような変化がでるのでしょうか?

答えは簡単にまとめると脳機能と筋力、生理的機能が低下します。

 

座ることで寝たきりの防止に繋がります。

座ることの効果は以下のことがあります。

①脳が活性化される。

目でみる情報が増え脳が刺激される。座っている状態では平衡感覚が刺激される。

②筋肉を使う。

姿勢を保つ為に筋肉を使う。

③生理的機能が発揮できる。

食べ物を飲み込む、排泄が楽になる。肺活動が増加する。

 

このように座ることで心と体の機能を向上、維持できるのです。

ただし、高齢者の方々それぞれに適した座る時間があります。2時間を超えると疲労がたまってしまう方もいるでしょう。その結果、食事がとれなくなるなど機能が低下することがあります。

介護者はその方に適した座る時間を考えることが必要です。

 

 

 

 

★高齢者の方に向上を目指してもらうこと

私は昔、鎖骨を骨折し、入院と手術の経験があります。

術後はリハビリを行い、回復に努めました。肩が元通りになったのは術後2か月後でした。骨折した時はショックでしたが手術を行いリハビリをすれば完治すると医師から説明を受け、私もそれを素直に受け入れることができたので抵抗なく治療(リハビリ)に専念できました。

 

 

病気や怪我の度合いが大きいほど現実を受け入れるのに時間がかかるといわれています。病気や怪我が発症してから回復までの過程には5つの段階があります。

①ショック期

発病の直後で集中的な医療とケアを受けている時の心理状況。
肉体的には苦痛があっても心理的には逆に平穏で、感情が鈍麻した無関心な状態。
現実に起こっていることが自分ではないような状態。

②否認期

身体的状態が安定して、そう簡単には治らないらしいことが本人にも少しずつわかり、心理的な防衛反応としての病気の否認が生じる時期。

③混乱期

現実が圧倒的すぎて、病気が完治しないことを否定しきれない時期。

④努力期

前向きな努力が主になる時期。
外向的な攻撃では、結局問題は解決しないことに気づく時期。

⑤受容期

最後に価値の転換を完成し、患者さんは社会や家庭のなかで、何らかの新しい役割や仕事を得て、生活に生きがいを感じるようになる時期。

※段階を進んだり戻ったりしながら、経験するとされています。

 

 

施設や家族介護では高齢者の方がどの段階にいるのかを理解し援助を行う必要があります。努力期でリハビリをあきらめてしまうケースには以下のことが原因として多いです。

①以前治療、リハビリを行った時に苦痛を感じたケース

②以前同様の治療を行ったが効果がなかったケース

このような場合は治療、リハビリ方法をかえることがその方の気持ちを前向きにかえることに繋がります。